台北から台南へ高速バスで移動しようとした際に財布を落としてしまいました。海外で財布を落とすなんて、もう絶対帰ってこないフラグ…と思っていたらまさかの無傷で帰ってきたのです。運が良かったと同時に、台湾の人の良さに感動したのでその時のエピソードを綴ります。
台北に二日ほど滞在し、高速バスで台南へ移動しようとしていたところでした。
台北のホステルをチェックアウトし、和欣客運(ホーシンバス)のチケット売り場で無事台南行きのバスの切符を購入。ホステル近くのパン屋さんで買ったスコーンをむしゃむしゃ食べながら、待合室でバスが来るのを待っていました。
バスへ乗り込み台南をめざす
そして台南行きのバスの発車を知らせるアナウンス。「台南は一体どんなところだろう?」とわくわくしながらバスに乗り込み、チケットに記載されている番号の席へ座りました。
たくさんのモーターバイク、朝の商店街、やはり自分の足で歩いて見えていた街の景色とは、また違った景色がバスの窓から見渡せます。
外をぼんやりと眺めていたら、バスは台北市内の次のバス停に停車。
乗客はあまり乗って来ず、一人のスタッフのお姉さんがずんずんとこちらに向かってきました。
「あなた○○?(私の名前、その後中国語で何かを伝えようとしてくるが中国語が分からなくて英語で聞いてみるもコミュニケーション出来ず)」
見かねたお姉さんがメモを取り出して「皮包」と書き、ぴーばおぴーばお!台北!と何かを必死に訴えてくるのですが、この時皮包が何を意味しているのか分からず、Google翻訳で調べてみると「ハンドバック」の訳。10秒くらい考え込んで、
「あっ、財布が無い」
どうやら、ポケットへ突っ込んでいた財布を高速バスターミナルで落としていたようです。スリにはいつも気を付けているのに、まさか落とすとは…。
デビットカードと日本円の1万円は別のバッグに入れていたので、何とか残りの滞在中の資金はやりくりできるだろう…という感じでしたが、財布には身分証明書、クレジットカード、わりと多めの台湾ドルが入っている。
あー、海外で落としたらもうこれは中身抜かれてるな~と覚悟。
お姉さんが、「あなた台南に行くんでしょ?」的なことを聞いてきて頷いていて、「じゃあ後のバスで届けるから電話番号とりあえず教えて」みたいな感じで教えたものの、正直無事に届くとは期待せず。
(英語が全く通じなかったのに、ニュアンスやジェスチャーだけで、よくこのやりとりを切り抜けたものだなぁと思う。ちなみに中国語は謝謝くらいしか言えないレベル。)
台南に到着したものの財布の行方は分からず…
台南に到着後オフィスに行ってみたものの、私の落とした財布について何も連絡が来てないみたいでした。
英語が通じたお兄さんが「台北のオフィスに連絡とってみるから待合室でちょっと待ってて!水は無料だから喉乾いたら自由に飲んで、トイレはあっち!」ってすごい親切にしてくれて、ちょっとテンション下がっていたけれど台湾の人の優しさが心に沁みました。
結局、この時台北のオフィスと連絡が通じなかったようで、後で何か連絡が入ったら連絡するから、と電話番号とメールアドレスを教えて、とりあえず先にホテルにチェックインすることにしました。
バス会社のお客様センターに電話してみた
ホテルにチェックインした後も夕暮れ時になっても連絡来ず、「やっぱりダメだったか~」と半分諦め状態でしたが、とりあえずホーシンバスのお客様センターの電話番号をネットで見つけたので、電話してみることに。
たまたま空港で買ったSIMカードが100分の無料通話がついているプランでした。
若いお姉さんが電話口で出て、台北のバスターミナルで財布を落としてそのまま台南に来てしまった、という旨を伝えてみました。
そうすると、お姉さんが私の名前を知っていて「あなたの財布台南に乗ってきたバスには無かったよ、ごめんね」と言われました。
ん?と思って、「乗ってきたバスに財布を落としたんじゃなくて、台北のバスターミナルで落としたんです」と伝えると、台北の方に連絡して確認してみるから折り返すとのこと。
数分して折り返しの電話が来て出てみると、なんと台南のオフィスに届いているとの知らせ!
中身は分からないけれど届いているという事実に感動し、電話口で中国語で「太謝謝!」と最後に伝えたら、お姉さんが私から中国語が出ると思っていなかったらしく、少しほころんだような表情を浮かべたように「いえいえ、本当に良かったね」と一言言い残してくれたのが嬉しかった。
オフィスに見覚えのある財布が…!
その後、再び台南のオフィスに行ってみると見覚えのある財布の姿。ほっと一安心。
そして、中身のカード類が無事かどうか確かめてみたら、なんとカードはそのまま、現金も手付かず。つまり無傷の状態で手元に戻ってきたんです!
日本でさえそんなこと滅多にないのに、海外でこんなことがあるとは思ってもいませんでした。
財布をターミナルで拾ってバス会社に届けてくれた人、財布をわざわざ台北から台南へ届けてくれた運転手さんと対応してくれたスタッフの方、電話口で拙い英語に対応してくれたお客様センターのお姉さん…本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
この一件もあって、台湾が一気に好きになりました。
近いうちにまた来たい、本当にありがとう、太謝謝台湾!