長らく工事で閉館していた東京都庭園美術館ですが、やっと11月に再オープンしたので庭園と建築を観に行ってきました。レトロ好きにはたまらない、細部まで入念にデザインされた日本を代表するアールデコ様式の建築は必見です!
長い一時閉館を経て庭園美術館がついに再オープン!
館内のエレベーターの工事のため4月くらいから全面閉館していた東京都庭園美術館ですが、先月11月の下旬にやっと再オープンを果たしました!
明治・大正時代の建築を観るのが好きで、留学から帰国したら行こうと思っていたのでやっと今回その願いを果たせてよかった。今回は、リニューアルオープンを果たした庭園美術館の姿をちょっぴりレポ。
東京都庭園美術館について
1983年に開館したこちらの美術館は、元々は朝香宮夫婦の邸宅として使われていました。
建物自体は1933年に建てられたものですが、こちらの建築は当時日本に流れ込んできた最新の建築様式をふんだんに盛り込んだデザインになっており、建物の見た目・内装ともに見るものを圧倒させられるモダンで美しい造りになっています。
細部まで緻密に設計されたアール・デコ様式の内部装飾
なんといっても、こちらの美術館の見どころと言えば建築の外側のみならず、内装の細かいところまで入念にデザインされたアール・デコの装飾。
玄関、大客室、大食堂、書斎などの主要部分の内装は、当時のフランスを代表する装飾美術家であるルネ・ラリックやアンリ・ラパンに依頼されました。基本設計を担当したのは、宮内省内匠寮の建築家だった権藤要吉でした。
階段をのぼっていく際の壁や、窓の淵、各部屋のドア…などなど細部までアール・デコの装飾が施されています。その植物の蔓を思わせるような曲線の美しいデコレーションがあることで、なんとなく部屋に上品でやわらかい印象が加わり、美しい沈黙の時間が流れます。
この旧朝香宮邸は長いこと”アール・デコの美術品”と称され、2015年には国の重要文化財に指定されました。
近代建築と日本式庭園
また、この美術館の面白いところはモダンな近代建築と共に併設されている日本式の庭園。(まぁ、名前は”庭園”美術館なだけあって)
旧朝香宮邸の窓からは西洋的な真っ青な広い芝生と、この日本式の庭園の四季の変化の両方を眺めることができます。
当時日本の時代の気風的には「西洋の文化に追いつけー!」的な流れが強かったと思うんですね。
そういう時代であっても日本文化の芯のような部分は損なわれることなく今の今まで受け継がれてきたと思うと、時代の変化に伴ってその姿形も変わっていくけれど肝心な軸はブレることのない日本文化独特の性質が感じられますね。
ちょうど訪れたころは紅葉シーズン真っ只中でした。池に紅葉が反射して、本物の紅葉と水面の鏡に映る紅葉との姿の境目が分からなくなっているの。とっても綺麗だった!
現代と近代建築の融合!2014年には新館もリニューアルオープン
また、2014年には新館もリニューアルオープンしています。
さきほどご紹介した邸宅とは異なる現代建築よりのデザインになっています。こちらの新館には、いわゆる美術館的なギャラリーが併設されていて、季節によって様々な展示が行われています。
邸宅からこちらの新館への渡り廊下の壁は、こんなグネグネしたガラスが使われていて、先ほどの近代モダンな時代から現代へと少し違う世界へ向かう感じ。
多くの場所にガラスが使われていて、庭園からはカフェで食事をとる人々の様子がガラス越しに眺められるようになっています。
この新館と旧朝香宮邸、そして日本式の庭園、一見すべてバラバラの特徴をもったものに思えますが、不思議とこれらが調和しており、この美術館が現代に生きる日本の建築の新しい姿を台頭しているような印象を受けました。
館内の建築に関する撮影OK(その時の展示内容によるけど)で、展示自体も建物の造りを生かした面白い展示がされているので興味がある方は是非!庭園のみの見学もできるので、ちょっとしたお散歩にも良いスポットですよ。
東京都庭園美術館
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