デンマークへの1年の留学生活を経て日本にいる時には気づけなかったことが沢山ありました。たった1年ではあっても、この海外で・北欧で暮らしたことで得た3つの大きな学びは、これから私が日本で生きていくのかという人生観を考えていく上で大きな変化を与えるきっかけになりました。
こんにちは。
私は一昨年の秋から去年の夏頃まで約1年間デンマークのコペンハーゲンへ交換留学に行っていたのですが、そのわずか1年という間に得た学びは沢山あります。
やはり、アジアとヨーロッパ・日本とデンマーク、文化背景が大きく異なる環境に身を置いたことで、普段気づけなかった発見があったり。
20数年日本で暮らしてきたことによって無意識のうちに植え付けられた様々なバイアスに気づき、考え直すきっかけにもなりました。
そこで今回は、私が(わずか1年という期間ではありますが)北欧・デンマークで実際に生活をしたことで得た3つの大きな学びについてまとめてみました。
目次
デンマークでの暮らしがもたらした私の人生観への変化
デンマークに留学に行くまでは海外旅行や短期留学に行くことはあっても、長期で海外で生活したことはありませんでした。しかし、国も違えばライフスタイルも大きく異なるもの、”旅行する”のと”生活する”のでは、やはり大きな違いがあることを実感しました。
私がデンマークに暮らしたことで、一体どんな心情的な変化があったのか大きく3つに分けてみていきましょう。
家での時間の過ごし方が変わった
日本での休日の過ごし方というと、よく友達とカフェでおしゃべりしたり、飲みに出かけたり、カラオケやショッピングをしたり…というのが定番かと思いますが、デンマークではなんせ物価が高い!
本業は学生、ちゃんと働いているわけではなかったので(バイトは週に数日してたけど)、日本にいる時と同じ感覚でお金を使っていると破綻します。
それに北欧の冬はとっても長くて暗くて、10月を過ぎるとだんだんと日が暮れる時間が早まり、冬になると午後の3時半くらいをすぎると普通に暗い。笑
学校の時間割もそこまでハードではなかったので(正規留学生ならもっとカツカツなんだと思う)、時間はあるけど金は無い状態でした。ですので、日本にいるときよりも留学中は家で過ごす時間が増えました。
時間を能動的に使うように
時間がありあまっているのに、部屋にテレビは無いし、カラオケのようなコスパの良い暇つぶしも無いし…で、いかにこの時間を使うか考えるようになりました。
というか、この”時間がある”という感覚、久しく感じていなかった気がします。
常に忙しいと感じていた日本での生活
私は結構大学で国際交流イベントをつくるのに携わったり、プロジェクトに参加させてもらったりと、結構色々手を出していた方だったので、常に「あー、時間がない!!」みたいな感覚でした。
学校に行き、放課後・休日はバイト、家ではだらだらとテレビを見て…という感じで時間があっても、なんか時間に流される過ごし方もしていたんですね。
留学中に久々に自分のために使える時間がどっと増えたことで、今までとは違った時間の使い方を考えるように。
勉強や趣味…自分の好きなことに時間を使う
そんなわけで、平日休日関係なく時間にゆとりがあったので、勉強や趣味に時間を使うようになりました。
昔の貴族に知識人が多かったのって多分彼らが暇で勉強以外にやることが無かったからなのでしょうね、笑
日本の大学での専攻は経営学なのですが、デンマークでは自分の専攻にとらわれずに興味がある分野の授業をとろうと思っていたので、大学でジェンダーや建築、映画の授業など自由にとっていました。
授業をきっかけに、建築に興味を持ってちょっと文献を読んだり、実際に散歩がてら有名建築を見に出歩いて、素人なりに感動し(デンマークにはユニークな建築が沢山あります!)、そこで建築の写真を撮ったり…
デンマークの映画の監督を調べて、英語字幕で映画みてみたり…
日本にいる間は殆ど本を読んでいなかったのですが、不思議と英字ばかり見ていると日本語が恋しくなり、KindleのiPhone版のアプリで日本語の小説や新書を読み漁ったり…
あとは、元々趣味で絵を描いていたので、画材を揃えて部屋に引きこもって絵を描いていました。
そういえば、このブログを始めたのも、「留学中に得た経験をどっかに残しておきたい」「文章を書く練習をしたい」と思ってノリで始めたのがきっかけです。
小さな興味がどんどん広がっていって、今では多趣味人間に。笑
好きなことに時間を使うのは楽しいもんです。
日本に帰ってきた今でもめっきりテレビは見なくなって、自分の趣味に時間を使っています。不思議と時間が限られていても充実感があります。
”ヒュッゲ”とは?日常生活に小さな工夫を凝らして、居心地の良い空間を
デンマークには、ヒュッゲ(デンマーク語でhygge)という”居心地がいい時間や空間”をあらわす言葉があります。
これは北欧の長い冬を室内でいかに居心地よく過ごすか、という考えからきているもの。
ヒュッゲを具体的に思い浮かべるなら、例えば、暖炉を取り囲んで編み物をしながら、友人や家族とまったりおしゃべりをして過ごす午後だったり、早朝のまだ薄暗い時間帯にキャンドルに火をともして読書に耽ったり…そんな感じの日常の風景。
デンマークでは、そのような小さな工夫が日常生活に施されており、毎日の何気ない時間がすごく居心地のいいものに感じられる瞬間が多々ありました。
デンマークからは、世界的に知られる数々のインテリアデザイナーが輩出されており、一般家庭のリビングルームでもまるでショールームに来たかのようなデザイン性の高さ。
お店では様々なソファや照明が並べられています。そして、一般人でもインテリアなどに強いこだわりを持っている人も多いです。
料理にしても、お洒落な食器や食卓を彩るカラフルなキャンドルなどが沢山売られていました。
ゆっくり時間をかけてお料理をして、できた料理をお気に入りのお皿に盛り付け、お家に友人を招いてホームパーティをしたり。
そういったちょっとした一工夫でいつもの些細な時間が特別なものになりますよね。
日本でも、人間の生活の基本をあらわす言葉、”衣食住”が古くから存在しますが、それらは私たちが生きていく上でなくてはならないもの、そして私たちの幸福度に直接的にかかわってくるもの。
何もかも便利に済ませられる時代に、あえて小さな手間を惜しまないことの大切さをこのヒュッゲから学びました。
自然の大切さを知り、植物が好きになった
北欧の冬が長すぎて、そして1日3時間くらいしか日光を浴びていない生活をしていたら(夜型人間なのでお昼くらいに起床、午後3時に日が沈む)鬱っぽくなりました。笑
いや、これは決して笑い事ではなくて結構デンマークでは深刻な問題で、北欧諸国では自殺率が高いんです…
日本の家族や親しい友人にも会えなかったので、それが加担したせいもありますね。
そんなどんよりとした気分の時は、よく近くの公園に散歩へ出かけたものです。
デンマークの公園は、私たちが思い浮かべる公園とは全く違っています。
公園と言われて私たちが思い浮かべるのは、綺麗に整備された芝生や砂場、遊具がある場所ですが、デンマークの公園はどちらかというと自然そのものの姿。
無造作に立ち並ぶ木々、すこし奥へ進めば草が生い茂っており、人が歩いたと思われる部分だけ草木が踏み倒され小さな小道が出来ています。
一歩公園へ入れば、まるで森へ踏み込んだような錯覚に。
特に冬の朝の公園は最高に綺麗。
日が昇り始めるまだ薄暗い時間には、木の小枝に露ができていて、それが徐々に朝日に照らされダイアモンドのようにキラキラ輝いているのです。
そんな自然の姿を見ていると、心が楽になりました。雪解けの朝のような温かい気持ちになるんですね。
私たち人間って自然から生まれてくるんだなぁ、そして此処へ還っていくんだなぁ、と。
植物が持つ癒しのパワーは、どんな高いエステよりも絶大です!
自由な生き方を知り、楽観的に“働く”ということを考えられるようになった
そして、留学中にはたくさんの人に出逢い(海外の人も、日本人も)、今まで私が考えていた”働き方”の概念がガラッと180度変わりました。
どう変わったかハッキリとはうまく言い表せないんだけれど、自分が様々な人との出会いを通して思ったことをまとめてみます。
デンマークや旅行中での若者との出会い
現地の学生や旅行中に出会った若者たちを見て感じたのが、「将来はわからないものだし、分からないうちから自分の可能性を決めつけなくていいんだ」ということ。
日本では、高校卒業後ストレートで大学に入学する人が大多数ですが、ヨーロッパをはじめとした海外では少し異なっています。
もちろん高校卒業後そのまま進学する人も多いですが、一度社会で働いた経験を経てから進学したり、もしくは自分の職業に関連した専攻を仕事をしながら学んだり…など、学びのスタイルが日本よりも多様な印象を受けました。
そして、デンマークの教育制度では(今は変わってしまったみたいだけれど)大学進学後に専攻を変更することができ、その際に別途で入学料などを払う必要もありません。
その分学びに対する姿勢は、日本の大学みたいに「単位とれればいいやー」って感じではなく、みんなガチなんだけど!
私は高校生のときに「周りが進学するから~」という波に飲まれ今の大学に入りましたが、18歳の私には将来やりたいことなんて分からず、漠然としていました。
そして、実際に大学に入学し、色々やっているうちに自分の興味も変わり、学びたい分野も変わってきました。
どうしても授業料などのお金の問題がネックとなっていて更なる進学や編入は今は保留だけれど、将来はいつか働きながらでいいからもう一度こういった場所で学べたらいいなぁ、と考えています。
日本の受験・就職事情をみてみると、なんだか一度決めたら後戻りができないような錯覚に陥るけれど、決してそういうわけではなくて。
死なない限りは、何度も後戻りしたって方向転換したって、いい気がします。
今の大学に入学したことでしか出来なかった経験や出会いもあるので後悔はしていないけれど、自分の興味や将来の就職につながる学びに合わせて柔軟に対応できる現地の制度が少し羨ましく思いました。
路上のカメラマンとの出会い
ある日通りを歩いていると、フィルムカメラを首に下げた革ジャンのおじさんに「服がかっこいいからスナップ撮らせて!」と声をかけられました。笑
話してみると、彼の本業もカメラマンらしく、こうやって通りでいいなと思った人に気ままに声をかけて写真を撮っているんだとか。
スナップだけじゃなくて、他にも色々建築の写真を見せてもらったりして、すごくかっこよかった。
そこから何度か会って仲良くなりました(日本の写真家の荒木経惟や森山大道が好きらしく、日本のモードファッションなども色々知っていて話が盛り上がった)。
彼から学んだことは、「自分の好きなことを追求することの大切さ」。
結構頻繁に進路の相談とまではいかないけれど色々話していて、帰国前に言われた言葉がすごく自分にとって印象が強く残りました。
「MAYUにはどこかクリエイティブで人を惹きつける魅力があるから、今のそのスタイルを大事にしてほしい。
アートは今やビジネスになっていて、売れるアートを作るのは簡単だけど僕はそれが一番だとは思っていない。なぜなら写真は僕にとっては一番の心の癒し(therapy)のようなものだから。
僕が写真で食べていけるまでは長く時間がかかったけれど、いつか必ず認められる時がくるから。そのタイミングを大事にして。」
絵にしても、ファッションにしても、文章にしても、なんでもいいけれど、人に受け入れられるものと、自分がやりたいことに違いがあるのはよくあることです。
それが生活するためのお金を稼ぐこととなったら猶更その違いは際立って見えるもの。
同時に、仮に1日8時間働いたとして、1日の3分の1の自分の時間は仕事に費やすことになるので、その時間をどう充実させるのか?
やりたくない・つまらないことに自分の時間を浪費してしまっては、とても勿体のないことです。
将来のことがわからず、少し悩んでいた時期にこの言葉を聞いてとても嬉しかったし、自分に自信も持てるようになりました。
海外で働く日本人との出会い
学校が無いときには日本食レストランでアルバイトをしていたので、お客さんとしてレストランに食べにくる海外で働く日本人の方(駐在や出張などで来ていたり、フリーランスで旅しながら働いていたり)や、同じレストランで働くワーキングホリデーで来ている日本人の方など、学生以外の日本人と知り合う機会も多々ありました。
大企業の正社員から、フリーランスの個人でやっている方、日本での仕事をやめてワーホリで好きなことをやりながらアルバイトしている方など…
ここでアルバイトしていなかったら話していないような人ともお話をすることができて、本当に多種多様な働き方を知りました。
そして、自分が今までどれだけ狭い視野で”働く”ことを見ていたか、に気づけました。
何をしてお金を得るのか、どこで働いてどこで生活するのか、誰と仕事をするのか…
などなど将来の仕事を考える上で、自分が実際に働いた時の細かなイメージまで考えられるようになりました。
これは、大学卒業後自分でお金を稼いでいかなければならないってなったときに、雇われる身としても、独立して何かをやる身としても、大事な視点だと思います。
【関連記事】ゴールの見えない就活はしたくないし、しなくてもいいと個人的に思う
帰国してから大学における就活について考えてみました。
まとめ
少々だらだらと書き綴ってしまいましたが、以上のことが自分が1年間、海外で、デンマークで、私が生活してみて学んだことです。
文章にしてみると一見当たり前のことのように思えるかもしれないけれど、このことは今の自分の日々の生活に変化を与えるようになった大きな学びたちだと思います。
実際に自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じたこの経験は、きっと本の中では得られなかったものだと思う。
今後1カ月後、1年後、10年後…自分がどんな姿でどのような生活をしているかは検討もつきません。
もしかしたら明日事故で死んでるかもしれないし。
だからこそ、未来を考える上で、”今”というこの時間の大切さを一層実感しています。
留学を通して具体的な何かのスペシャリストになれたわけではないけれど、その気づきを得られた経験が自分にとって一番の収穫です。
この記事が、今後留学などを考えている方の参考になりますように^^